ここでは基本的なことを説明します。
警察と興信所のどちらを頼る?
家出人が出たら、警察への捜索願はもちろん出すべきです。
ただし、扱いは「一般家出人」と「特異家出人」の2種に分かれます。
特異家出人というのは拉致・誘拐などが考えられるケースで、この場合は最初から事件性を想定した捜査をしてくれます。
しかし、ほとんどは一般家出人としての受理になり、大したことはしてくれません。
職務質問・補導や事件発生の場合の被害者等と、優先的に照合する程度のことです。
要するに事件性のなさそうな家出人は自力で探すしかないのです。
(逆に事件性がありそうだったら、なおさら警察だけに任せておかず、自分たちでも探したいと思うでしょうが。)
あと、捜索願は保護者・配偶者やそれに準ずる人しか出せません。
友人や恋人の申し出は受理してくれないのです。
ストーカーや借金取りが捜索願を出してくる危険もあるので、誰でも受理してくれないのは当然です。
家出人探しの基本プロセス
家出人探しのやり方は基本的には次の2ステップで、見つからなかったら、最初に戻って繰り返すだけです。
- 捜索先の優先順位を決める
- 決めた捜索先を人海戦術で探す
しかし、実際にやるのはそれほど簡単ではありません。
例えば第一ステップ「捜索先の優先順位を決める」を考えてみましょう。
まず、地域ごとに家出人が行きやすい場所というものがあります。
神奈川県なら横浜駅周辺ですが、群馬県なら県内の都市ではなく、上野・秋葉原、次いで池袋・新宿です。
ネットカフェなどが第一候補ですが、この2地域だけでも大変な数があります。
その中でも家出人がよく見つかる店とそうでない店があり、それは捜索経験の蓄積がないとわかりません。
一方、自殺を意図している場合は、懐かしい場所を訪ねた後に実行するケースが多いので、過去に住んでいた場所などもリストアップする必要があります。
さらにまったく別の場所に向かった可能性もあります。
家出直前に沖縄に関する検索をたくさんした履歴がパソコンに残っていたなら、沖縄への搭乗者リストを先に洗った方がいいかもしれません。
このように行き先は多数考えられ、家出時の事情と当人が部屋に残したものなどから、短時間に優先順位をつけねばならないのです。
判断を間違うと、多大な時間と労力をムダにし、自殺の恐れがある場合は手遅れの危険が増します。
ここでもやはり、経験が大いに物を言うわけです。
第二ステップの「決めた捜索先を人海戦術で探す」もそんなに簡単ではありません。
仮に秋葉原で探すとして、協力してくれる人を何人見つけられるか?
群馬在住の人が東京都心に出かけて行って、次々に聞き込みなどできるものか?
ネットカフェなどは聞き込みをしても、客のプライバシーを優先しますから、いるかどうかは答えてくれないことが多いです。
これをどう突破するかも問題です。
このように家出人探しは自力でやろうとしても簡単ではないため、興信所のサービスが存在するのです。